top of page

エンパシー通信2026年9月号

10 分前
読了時間: 14分

ピースデイ2026 特集

9月21日の国際平和デーに合わせて開催された今年のピースデイ。企画が生まれるまでの迷い、当日の対話、そしてイベント後に残った問いまでを振り返ります。



企画が生まれるまで


9月21日は「国際平和デー」

9月21日は国際平和デー(ピースデイ)です。平和の鐘は一人の日本人の願いから生まれ、この記念日の定着も一人の青年の情熱から始まりました。

日本エンパシー協会では毎年、このピースデイに合わせて、平和について考えるオンラインイベントを開催しています。

今年も、認定講師で構成されたピースデイイベントチームが中心となり、それぞれができることを持ち寄りながら、9月21日に向けて準備を進めました。


「平和とは何か」から、今年のテーマへ

今年の企画は、「平和」というものの意味を改めて考えることからスタートしました。

「暴力がないこと」だけではなく、「何があることが平和なのか」。文化・生活・営みがあることにも目を向けながら、エンパシー協会が大切にしている「ある」の世界観から平和を考えていきました。

一方で、平和を考える日だからこそ、悲しさや怒り、無力感といった「嘆き」も大切にしたい。そんな思いから生まれた今年のメインテーマが、

「嘆きから平和へ——“共感”で『ある』の世界を」

です。


迷いながら、みんなで形にしてきたピースデイ

このテーマをどう企画に落とし込み、「平和」という大きなテーマをどう身近に感じてもらうか。何度も話し合いながら、それぞれの認定講師の「こんなことを届けたい」という願いをもとに、企画が生まれていきました。

企画づくりでは、登壇する認定講師の願いと、企画する側の願いの両方を大切にしてきました。誰か一人が抱え込むのではなく、全員が思いやりと優しさを持ちながら、声を掛け合い、それぞれが自分にできることを主体的に進めていく。

最初に形になったのが、イベントの最後に平和についてあらためて考える対話の時間でした。

イベントチームとしては、やはりラストは代表理事のせっちゃんの視点から深く平和について話してもらいたいという想いがありました。

ありティーが自ら相手役を希望してくれたことで、参加型の対談メインイベントとして形が決まりました。


ピースデイだけのためでない企画を

ピースデイイベントに向けては、えりかなが考えた「平和の種まき21日プロジェクト」が9月1日からスタート。自分自身のこと、人との関係、暮らしや社会へと少しずつ視野を広げながら、毎日ひとつ、平和について考える時間を重ねました。

ピースデイの当日を経た後日には、Special Thanksとして認定講師の小田切重雄(ジョー)が、平和についての鼎談をスタエフ配信しました。

「ピースデイというイベントの日だけでなく、日頃から平和について考えたい、考えて欲しい」

こうした流れの中で、えりかなやジョーの願いが汲み取られ、ピースデイ当日を挟む1ヶ月間、平和の中にあるものを考えていくという流れが作られました。

全員が思いやりと優しさを持って、自分のできることを主体的に取り組んできたこの流れ。それは、エンパシー協会が目指す共創の実践であり、平和への想いを形にしたものなのです。



9月21日|当日の対話

それぞれ違う入口から始まった対話は、どれも「自分にとっての平和とは何か」を見つめる時間になりました。


ピースデイイベント2026の告知画像。9月21日のXスペース、stand.fm対談、Zoomメインイベントなどのタイムテーブル。
ピースデイイベント2026 告知画像


オープニング|「それぞれの平和」

ピースデーのオープニングでは、Xのスペースで、エンパシー協会コミュニティ内外の方々と「それぞれの平和」をテーマに対話しました。穏やかさを感じる瞬間も、心がざわつく出来事も、その奥には大切にしたい願いがあります。相手を敵にせず、自分や相手の内側に目を向けること。そんな「平和的に平和をつくる」あり方として、エンパシーを見つめる時間となりました。




ピースデイ2026 対談「今から未来へ託す願い」

かのう × こたま対談

社会と暮らしを振り返りながら、次の時代に受け継ぎたい「平和」を考えます。


暮らしの中にある「平和」

「平和」と聞くと、少し遠い話に感じるかもしれません。けれど、私たちが普段「あるもの」として受け取っている日常の中に、実は多くの安心が支えられています。

  • 医療を受けられること

  • 教育を受けられること

  • 電気や情報、食べ物が届くこと

  • 帰る場所があること

失って初めて気づく安心。親や祖父母の世代から受け継いできたものを振り返りながら、今の私たちにとって「平和とは何か」を見つめていきます。


豊かさと、変わっていくつながり

物質的な豊かさが広がる一方で、一人で抱え込み、誰かに頼ることが難しいと感じる人も増えています。かつて家族や地域にあった「お互い様」も、個人の自由が尊重される時代の中で変わってきました。

今の時代に合わせて変えていくものは何か。形が変わっても手放したくないものは何か。その問い直しから、これからの社会に必要な「つながり」が見えていきます。


未来へ何を手渡すのか

異なる価値観とのコミュニケーション。親世代から受け継いだ「当たり前」を問い直しながらも、その根底にある人を思う気持ちをどうつないでいくのか。

一人ひとりが自分や他者の声に耳を傾けることが、関係や社会の平和にどうつながっていくのか。エンパシーの視点も交えながら、「今あるもの」を見つめ、これから何を残していきたいのかを考える時間となりました。

この対談は、ひとつの答えを示すものではありません。あなた自身にとっての「平和」とは何か。その問いを持ち帰り、考え続けるきっかけになれば幸いです。



ピースデイ2026 メインイベント

「嘆きから平和へ——共感で『ある』の世界を」

日本エンパシー協会5周年の節目となる今年のピースデイ。9月21日の国際平和デーに、代表理事のせっちゃんと認定講師のありティーが、協会で大切にしている「ある」の世界観を切り口に、「平和」について参加者の皆さんと考えました。


「ない」の奥に、何がある?

「ある」の世界観は、単に「ないものではなく、今あるものに目を向けよう」という考え方ではありません。

「時間がない」「お金がない」「自信がない」――そんな「ない」という思いを入り口に、そのとき自分の中にある感情や願い、大切にしているものへ目を向けていく。自分自身をより深く知るための視点として紹介されました。

では、「平和がない」と感じたとき、私たちの中には何があるのでしょうか。

同じ「平和」でも、大切にしているものは違う

対談では、平和の対極として浮かぶものや、そこから生まれる感情をたどりながら、それぞれの内側にあるものを見つめていきました。

同じように「平和であってほしい」と願っていても、その理由まで丁寧に見ていくと、家族への思い、倫理観、歴史から学ぶこと、命への願いなど、一人ひとり異なる大切なものが見えてきます。

そこで行われたのが、少しユニークな思考実験です。

「もし、アリが戦争をしていたらどう感じるか。」

参加者にも問いを開きながら、自分とは異なる生き物の争いを想像します。さらに対象を、自分とはまったく関係のない「知らない国の、知らない人たちの戦争」へと近づけていきます。

距離が変わることで、自分の心の動きはどう変化するのか。どこから「他人事」ではなくなるのか。そんな問いを通じて、自分が何に反応し、何を大切にしているのかを見つめていきました。


参加者それぞれの「平和」

参加者には、「戦争があることを深掘りしたとき、自分は何を大事にしているのか」という問いが投げかけられました。

「共同体を存続させたい。このままだと大事なものを失ってしまう」
「豊かさを得るために何かを犠牲にするのではなく、何か他の道を選んでほしい」

同じ「平和」を願う言葉の奥にも、守りたいもの、怖れていること、未来へ託したい願いはそれぞれ違います。

「平和」という、多くの人が大切だと感じる言葉。その一方で、なぜそれを大切だと思うのかは、人によって大きく異なります。その違いを知ることも、対話の入り口になります。


「戦争がある」を深掘りして見えてきたもの

「戦争がある」を深掘りしたとき、自分の中には何があるのか。参加者から、それぞれの言葉でさまざまな願いや思いが寄せられました。

命を、その人なりに生ききってほしいという願い

「命の灯が自然に消えていけるように生き続けてほしい」「未来が明るいとは限らなくても、それまでは自分を殺さずに生きていきたいし、生きてほしい」

身近な一人ひとりの命を大切にしたいという思い

「自分の周りの一人一人の命を大切にしたい」

大切なものや共同体を守りたい気持ち

戦争の背景には、「このままでは大事なものを失ってしまう」という危機感や、共同体を存続させたいという思いがあるのではないか、という声もありました。

争いではない道を選んでほしいという願い

生きることや豊かさのために何かを犠牲にするのではなく、ほかの方法を選んでほしい。平和で安心して暮らしたいという願いは、人類に共通するものではないかという言葉がありました。

人間が人間らしく生きることへの願い

争いもまた人間の営みの一部なのかもしれない。それでも、未来の人類には争わない存在であってほしい、という願い。

争いを前にした第三者の無力感

対立が戦争になる前に気づく国があるはずなのに、何もできない、あるいは何もしない。そのことへの無力感や残念さも語られました。


自分を知ることから、他者との対話へ

対話が深まるにつれて、自分が大切にしているものだけでなく、ときには見たくない感情や、自分の中にある矛盾にも目を向けていきます。

それは決して心地よいことばかりではありません。それでも、自分自身へ共感を向け、何を感じ、何を願っているのかを知ること。その自己理解・自己共感があるからこそ、自分とは異なる相手の背景や願いにも目を向けられるのかもしれません。

「平和のためには、自分の中の見たくない部分にも目を向ける必要があるかもしれない。でも、それが平和へ続く希望でもある」

そんな問いを参加者それぞれが持ち帰る時間となりました。

日本エンパシー協会では、自己理解・自己共感を土台に、他者への共感、他者理解へとつなげていくことを大切にしています。今回のピースデイもまた、自分の内側から平和を見つめ、異なる誰かとの対話へとつなげていく時間となりました。




4th Peaceday 2026

平和の逆側から、世界のつながりを考える

ホストはめぐるさん。小田切重雄(ジョー)さん、あみさんと3人で、約3時間にわたって平和について語り合いました。

3人の鼎談は、stand.fmでアーカイブを聴くことができます。



今回の対話は、3人それぞれが感じる「平和の逆とは何だろう?」という問いから始まりました。

きっかけの一つとなったのは、原爆展で感じた身体感覚でした。モノクロの映像、淡々と語られる事実、色彩や個性が失われたような光景。

そこから見えてきたのは、戦争や暴力だけではなく——恐怖、抑圧、安心できなさ、そして「自分らしくいられない状態」もまた、平和から遠いのではないかということでした。


人はなぜ対立するのか

では、人はなぜ恐れ、防御し、対立してしまうのでしょうか。

話は、国と国との関係から、身近な人間関係へと移っていきます。同じ出来事でも、事実と解釈は違う。余裕がないときほど思い込みが生まれ、それを確かめないまま相手とぶつかることもあります。

そんなとき、決めつけるのではなく、「理解するために聴く」ことができたら何が変わるのでしょう。

「余裕」が生まれる場所

ここから対話は、人が聴き合うために必要な「余裕」や「余白」へ。

毎日同じように動けるわけではない私たちが、疲れや体調の違いをどのように伝え合うのか。自分を回復させる方法を知ること。

さらに、「休んで回復する」以前に、そもそも人が過度に消耗しない環境とはどんなものなのか、という問いへと広がっていきました。

働き方、得意不得意、リーダーシップ、いじめや集団のあり方。誰か一人に力が集中するのではなく、それぞれが自分の感覚や価値観を持ち、伝え合える関係とはどんなものなのでしょうか。

そこから浮かび上がったのが、自発性・相互性・受容性という視点でした。

「こうあるべき」という基準に自分を合わせるのではなく、自分を知り、他者を知り、違いを体験として理解していくこと。その積み重ねは、個人の関係だけでなく、社会のあり方にもつながっていきます。


「成功」って、本当は何だろう

対話はやがて、「成長とは何だろう」「成功とは何だろう」「誰かの豊かさは、別の誰かの犠牲の上に成り立っていないだろうか」という問いへ。

そして残り約1時間を迎える頃には、いつも何気なく飲んでいる一杯のコーヒーから、原産国で暮らし働く人々へと思いを馳せるところまで話が広がっていきました。

自分の身近な平和から、遠く離れた誰かの暮らしまで——。一見別々に見えるものをつないでいくと、平和は「戦争がないこと」だけではなく、私たちの日常の選択や関係性、社会の仕組みそのものにも関わっていることが見えてきます。


続きは、対話の中で

ここから3人の対話は、さらに深いところへ進んでいきます。

コーヒーから始まったその先に、どんな問いが生まれたのか。どこへたどり着いたのか。

ぜひ、実際の対話を聴いてみてください。



ピースデイ2026 後日談|イベントチームの感想

9月21日の国際平和デーに合わせて開催した「ピースデイ」。イベントチームの一員として企画・実行に携わった認定講師が、この経験を通じて感じたことを語ります。


こう

昨年は認定講師応援月間と重なり、正直なところ平和についてじっくり考える余裕がありませんでした。それだけに、今年こそはという思いもありました。

イベントチームとして企画から実行まで携わる中で、大きなやりがいを感じるとともに、自分自身に少しずつ自信がついていくのを実感しました。忙しい日々の中でも、平和について少しだけ、けれど深く想いを寄せる時間を持つことができたのは、私にとって貴重な経験でした。

特に、9月1日から21日まで「平和の種まき」を実践し続けたことで、自分の中にすでにあった平和に、改めて気づかされました。日々の小さな実践の積み重ねが、内側にある静かな平和を思い出させてくれたように思います。

こうして充実感を感じながら、素敵な時間を過ごすことができました。今回の経験を、これからの活動にもつなげていきたいと思います。


えりかな

ピースデイを無事に終えることができ、ほっとしています。

日常ではあまり意識することのない「平和」というテーマについて、たくさんの方とともに考え、語り合い、耳を傾ける時間を持てたことを嬉しく思います。

また、エンパシー協会としてピースデイを5年間続けてこれたこと、携わった方々からバトンを受け取って続けられたこと、とても温かいものを感じています。

これまで私は、「平和を祈る」ことを自分のあり方の一つとして大切にしてきました。けれど今回、さまざまな人の「それぞれの平和」に触れる中で、私は平和を祈るだけでなく、「平和をつくりたい」のだと感じました。

そして、平和をつくることは、思っていた以上に遠く、簡単ではないのだということも知りました。それでも、こうして語り合い、つながり、それぞれの日常へ持ち帰っていく。その一つひとつが、きっと平和をつくる営みなのだと思います。

今回、自分の中で生まれた問いもたくさんあります。それらの問いを大切にしながら、これからも平和について考え、実践していきたいなと思いました。


ありてぃー

イベントチームとして携わってみて、感じたことがいくつかあります。

自分にとっての平和が昨年より奥行きが出てきたこと。時間はかかるし大変だったけど、話し合う中で形にできていったことが感動しました。やりがいがとてもあり、自信がついてもっとやろうと思えるようになりました。


こたちゃん

内部イベントチームのみなさん、素晴らしいピースデイの企画ありがとうございました☺️

平和について語らえる、想いを分かち合えるこの時間がとても平和だなぁって感じました🕊

初めてのことにもあったと思うけど、改めてエンパシー協会の認定講師がみんな素敵な人たちで、そこに所属できている事が誇らしい気持ちになりました☺️

お疲れ様でした👏✨ そして、ありがとうございました🙇‍♀️💐



編集後記

1ヶ月ほどかけて企画されたピースデイイベント。今回はその特集として記事を作成しました。

企画から動きを追っていく中で、みんなの平和への願いがあたたかく、静かに深いところにあることがとても良く感じられました。

当日のメインテーマは、「嘆きから平和へ——『ある』の世界を」。

実際のイベント当日を迎えてみれば、どのプログラムもこのテーマに即したものとなっており、私たちも含めて、「平和」について、「平和がないという状態とは何だろう?」という問いから深く深く考えていく機会となりました。

協会としては、これからも「平和であるとは、どんな視点からどんなことを考え、何ができるのか」という問いに対して、エンパシーを向けながら、問い続けていきたいと思います。


一般社団法人日本エンパシー協会

認定講師 はづき

認定講師 いっちゃん

認定講師 たろう

コメント


一般社団法人

日本エンパシー協会

©2021 日本エンパシー協会

  • Line
  • X
  • YouTube
  • Peatix
  • Instagram
  • Facebook
bottom of page